最近はSAAのブルーイングに追われて作業日記の更新も滞りがち。
久々のM92FS、殆ど新品状態の物が手元にありました。
スライド側面と金属パーツはブルーイング。その他は東美化学トップガードで塗装、という2006年3月、ベレッタM92FSの記事とほぼ同じ作業内容です。
写真は240番の耐水ペーパーで軽く塗装を落としたところ。
黒い部分はまだ塗装が残ってる部分、いわゆる「ヒケ」の部分です。
刻印が深い場合はこのまま平面を出していけるのですが、今回のITALY刻印は後打ちの浅い物で、ちょっと気を抜けば刻印が消えてしまいます。
こういう場合、耐水ペーパーの番手を上げて「ヒケ」の残っている部分に力を加えるように磨いていきます。(時々様子を見ながら慎重にです)400番を使用しました。
この「部分的に力を加える」というのが肝で、意外とその部分だけきれいに「ヒケ」がなくなってしまいます。
逆に言うと平面出し時、いらぬ所に力が加わってしまうと平面が乱れてしまったり、かまぼこ型に真ん中が盛り上がった様な面になってしまうということです。
「ヒケ」が消えたら800番に変えて、全体を均等に磨きます。これでほぼ乱れのない平面が出来上がります。
今回は最後に番手を飛び越えて2000番の磨きで下地作りを終えました。(スミマセン、写真を撮り損ねてしまいました。)
スライド側面のブルーイングはアルミブラックでの「塗り」。ブルーが出る直前にメタリックグレーになる段階があります。今回はその段階で反応をとめる予定です。
アルミブラック原液、はじめにコットンパフに含ませ指でギュっと絞って塗っていきます。
最初は濃い茶色、徐々に茶色の色合いが薄くなっていくのに合わせて含ませるブルー液を少なくします。
塗って乾燥させた後は必ず真鍮ブラシでスラッジを落とします。
色合いがグレーに近づいたらティッシュに少量含ませ、「塗ったそばから乾く」様な塗り方に変えていきます。こうすることでムラを防ぐことが出来ます。
ちょっと時間は掛かりますが、徐々に金属感のあるグレーに近づいていきました。この色合い、結構好きなんです。
・・・が、調子に乗りすぎてしまいました。部分的にグレーを通り越して青味が出てしまったのです。どうしようもありません、反応を戻すことは出来ません。
「しょうがない、ブルーにしてしまおう。」ということで、ティッシュからコットンパフに戻しブルーイング再開。
写真の1はムラが出て乾燥させた状態。
2はそれを真鍮ブラシで磨いた状態です。
その後、塗りと磨きを2回ほど繰り返した状態が3です。少しだけ色ムラの度合いと面積が狭くなってます。
色ムラの面積が大分少なくなってきました(写真4)。この位になると目立ったスラッジはあまり出てきません。その代わり色ムラは白い色になり、塗っても塗っても色は変わってくれません。
写真5は塗りと磨きをさらに進めた状態。この段階での作業ははコットンパフに結構たっぷりとブルー液を含ませます。白色部分は随分少なくなってきました。
これを繰り返していくと、完全に色ムラはなくなってくれます。写真6がその状態です。でもブルー液で汚れた様になってますね。
最後にティッシュに少しだけブルー液を含ませて、汚れを拭き取るように塗ってブルーイングを終了させます(写真7)。カメラが写り込んで解り辛いかもしれませんが、色ムラがなくなっているのが解って頂けると思います。
こちらの写真が解り易いかもしれません。全体的に均一な色に染まってくれました。
平面出しの作業写真がなかったのですが、面と刻印の状態も解って頂けると思います。
ブルー面を磨いてみました。今回の下地作りでは目潰しをしてませんが、この程度には写り込む位の仕上がりにはなってくれてます。
今回はこのままの仕上げで行きたいと思います。
次はフレーム、邪魔なASGKとライセンス刻印がクッキリと入ってます。
そしてパテで・・・、ではなく瞬間接着剤を刻印に流し込み、余分な接着剤をティッシュで拭い取り400番でゴシゴシ。
これを何度となく繰り返していきます。すると次第に刻印が潰れていきます。
完全につぶれてしまったら、丸一日放置。
元から刻印がなかったような感じに仕上がってくれました。
トップガードの隠蔽力は強い方なのですが、下塗りの代わりにブルー液で着色しておくと、塗装後の仕上がりがより良いものになってくれます。
次はアウターバレル、矢印の部分にパーティングラインがうっすらと残っています。
これも240番→400番できれい削り取ってしまいます。ここはトップガード塗装後に磨いて仕上げます。
金属パーツ類は研ぎ直してブルーイング、塗装面に合わせてグレーがかった色合いに仕上げました。作業内容は2006年3月1日の記事【カテゴリーのM92FSにあります】と同じですので参考にしてみて下さい。
ノーマルと比べて格段に印象が変わってくれました。
フレームの刻印は綺麗に消えてくれました。バレルの仕上がりはこんな感じです。トップガードは磨いて仕上げることで、この様な金属感をも演出してくれます。ちょっとだけヘアラインっぽく磨き跡を残してみました。
なんかダラダラと長い内容になってしまいました。ちょっと読み辛かったと思います、すみません。
でもその前にやらなければならない事があります。
僅かに残っているパーティングラインの処理です。削った部分が銀色に光ってます。
先にブルーイングしたスライド側面にマスキングテープを貼り塗装に入ります。
本当はブルー面にマスキングテープを貼ることには少し抵抗があります。そのためいつもは最初に塗装を済ませ、最後にブルーイング処理を行っています。
まずはアウターバレルに使用た「Fe」。 ちょっと高価なのですが鉄粉が配合されているのでブルーイングをすることも出来ます。
「トップガード」。 キャロム「ブラックスチール」とよく似た色をしています。
ブラックスチールより表面硬度は劣りますが塗料粒子が細かいため、仕上がりの質感はトップガードの方が上質の様にに感じます。
スライドは薄めに、フレームは厚めに塗装しました。スライドのブルーイングと相まってフレームとのコントラストがいい感じになっていると思います。
この様に塗装を織り交ぜた仕上げは、全体をブルーイングで仕上げた物と比べると質感的には敵わない・・・。誰もがそう思うかもしれません。ですがどうでしょう?私はあまりひけをとらない仕上がり感だと思います。
それに特にガスガンなどの場合ブルーイングのみで仕上げた物と違って、気軽に触ったり作動させたりとガスガン本来の楽しみ方をすることが出来ますし、質感はノーマルより格段に上質な物になってますので鑑賞にも十分以上に耐えられるものになります。
400番~800番のペーパーで磨き、ドライバーの軸でHW樹脂の目を潰しました。
M92FSで気を付けなければならないのは側面平面部の前部のエッジをなめ易いことです。
それから、前回失敗したようにスライド左側後部の平面出しに夢中になってセレーションを削り過ぎてしまうことです。(こんな失敗をしてしまうのは私だけかもしれませんが・・・)
大体この写真程度まで表面を均しました。
順序は「ブルー液を二回塗って乾燥させ真鍮ブラシでスラッジを落とす」これを1セットとし、これを何回も繰り返していきます。
写真の一番上は二度塗りが終わって乾燥させた状態です。最初は茶色に色が変わっていきます。
真中の写真は3セット目が終わった状態です。茶色が無くなりだして金属っぽい光沢が出てきました。
一番下は8セット目の「塗り」が終わった状態です。この位になってくると表面にはスラッジがあまり付かなくなってきます。
今回はこの状態で一度水洗いました。
水洗い後、乾燥させ真鍮ブラシでスラッジを落とし、最後の塗りに入ります。
最後も8セット目と同じ様に「塗り」→「水洗い」→「乾燥」→「スラッジ落とし」の順に作業します。写真はこの作業が終わった状態です。
「塗り」でのブルーイングのコツは、ブルー液を染み込ませたコットンパフ(ティッシュでもいいですが)を「ギュ~っと十分に絞ってゆっくりとしたスピードで塗る」ということです。塗ってるそばから乾いていく位がムラも出来ず均一に仕上がってくれます。
大体この程度の光沢は出てくれると思います。
ですが、この様に仕上げるのはM92FSには似合わないような気がしますし、実際私がM92FSのサイドブルーを仕上げる際はこの様にツヤツヤには仕上げてません。(ただ単に私の「好み」というだけなのですが・・・)
またまたブルーイングでは邪道なやり方だとは思いますが、スポンジパットで表面を「磨く」というより少し粗してやります。
金属的な質感は損なわれていないと思いますが、どうでしょうか?
写真では「この位だったら塗装でも出来るじゃん!」って感じに写ってますが、この質感もやっぱり塗装では表現出来ません。これも「染め」でないと出ない質感だと思います。と言ってもやっぱりブルーイングとしては邪道なやり方かもしれませんね。
アウターバレルには側面にパーティングラインを消した後が残ってます。
これを400番のペーパーで綺麗に消してG.スミス.S「Fe」の黒で塗装しました。
写真上は塗装後に800番のペーパー掛け~ポリッシュ仕上げにした状態です。かなりグレーがかった鋼色になりました。このままで十分使えそうなのですが、せっかくなのでブルー液に漬け込みました。
写真下はブルー液から取り出して磨いた状態です。写真では解り辛いかもしれませんが質感は格段に上がりました。
もっと青っぽい色にすることもできますが、今回は黒っぽい色に仕上げました。
「Fe」という名前の通り鉄粉が配合された塗料ですので、HW樹脂や亜鉛よりブルーイングに気を使う必要は無いようです。
明日には注文してある「トップガード」が到着します。
今回は塗装が最後の作業になります。
やっとM92FSのスライドが手に入りました。と言うより、もう1挺程度の良い中古を購入しました。
スライドのみの入手は、どうしても不可能でした。
今回の予定もスライドのみのサイドブルーです。
ただ、今回は手順を変えて金属パーツからブルーイングを行ってみたいと思います。
スライド側面以外は東美化学「トップガード」での塗装予定ですのでその色合いのイメージにあわせて研ぎ出しと色調整をしました。
金属パーツで重要なのは往復させるのではなく一方方向にだけ「研ぐ」ということです。
それからHW樹脂でもそうですが、エッジをタレさせないということ。
写真はスライドストップですが、矢印方向に削ってやれば各エッジをタレさせることが少なくて済むようです。
エッジをたれさせないコツはエッジと並行に研ぐか、タレさせたくないエッジに向かって研ぐことだと思います。
そして鋭角なエッジはタレ難く鈍角なエッジほどタレ易いので、鈍角なエッジをタレさせないことを優先させるように作業した方が良い結果が出るようです。
うまく仕上がればちょっとした削り出し製のパーツにも引けをとらない仕上がりになりますよ。
「研ぎ」と「磨き」を明確に分けるなら今回の作業では「磨き」を行っていません。電動ツールのラバービットと400番のペーパーのみで「研ぎ及び磨き」を終了させました。。
その状態でブルーイングに入ります。そしてブルーイング終了後もいわゆる「磨き」を行わず、柔らかい綿布でスラッジを拭き取るというか磨き取りました。
銃の種類によってはこの様な感じが、それらしく仕上がってくれます。
ブルーイングとはテカテカでピカピカ出なければならないという考えでは、この様な方法は邪道なのかもしれません。
ですが、この様な方向性とういうか様様な仕上がり具合を求める幅もある「表面処理」ではないのかな?と思ってます。
少なくとも写真ではノーマルパーツとは見違えるほどの仕上がり感になってると思います。
皆さんはどの様に感じましたか?
この間の休日、近所のガンショップに凄く程度のいい中古のM92FSがあったので、ついつい衝動買いをしてしまいました。
久しぶりにサイドブルーをやろうと思って、今日も子供とカミさんが寝静まったのを確認してゴソゴソと作業に入りました。
塗装面を削り取るために400番のペーパーを使います。水研ぎで行いました。
本当はHW樹脂の磨きは空研ぎのほうがいいそうなんですが、塗装面は意外と硬度があるみたいで、そのうえペーパーの目がすぐに詰まっていつまで経っても樹脂面が出てきてくれません。
写真は400番で水研ぎ~空研ぎが終わったところです。
M92FSは何回か作ってるのでヒケのある場所が解ってます。自分では慣れているつもりでした。ヒケのある場所から重点的に削って、ヒケの少ない部分に繋げていくように水研ぎでガンガン削っていきました。「MADE IN JAPAN BY. WESTERN ARMS」刻印のモデルは刻印がけっこう深いので思い切っていきました。それが取り返しのつかない失敗になってしまうとは・・・。
400番の空研ぎの終わりかけ、金属的な光沢が出てきたところで気付きました。
頭がクラクラしそうなほど「ガ~ン」となりました。
修復不可能!!。何やってんのっていうくらい。
分解作業から5時間。午前3時。あまりのことに何故か笑ってました。人が見たら気味悪がられたかもしれないですね。
「今はなかなかスライドは手に入りにくいのに~」と脱力感とバラバラになってるM92FSの中にいました。
笑ってください・・・。(T-T)ノ
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